塗膜の高速耐候性試験法の開発

塗膜の酸化や加水分解を促進する処理法を検討し, 高精度かつ高速の耐候性試験法を開発した.開発した試験法は, 40℃, 3wt%過酸化水素水中での紫外線照射(処理A)80℃, 酸素80kPa, 水蒸気20kPaの雰囲気中での紫外線照射(処理B)とを交互に負荷するサイクル処理で構成される.処理Aによって, 酸化チタン顔料周辺の樹脂が消失して塗膜表面に微小な穴が形成された.これらの穴は酸化チタンの光触媒作用によって樹脂が消失して形成されたと考えられる.処理Bでは, 穴は形成されず, 微小な凹凸が形成された.この凹凸は樹脂が加水分解や酸化によって体積収縮して形成されたと考えられる.20hの処理Bと2h...

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Published inマテリアルライフ学会誌 Vol. 13; no. 4; pp. 180 - 184
Main Authors 森, 寛爾, 成田, 猛, 舘, 和幸, 梅村, 晋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published マテリアルライフ学会 2001
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Summary:塗膜の酸化や加水分解を促進する処理法を検討し, 高精度かつ高速の耐候性試験法を開発した.開発した試験法は, 40℃, 3wt%過酸化水素水中での紫外線照射(処理A)80℃, 酸素80kPa, 水蒸気20kPaの雰囲気中での紫外線照射(処理B)とを交互に負荷するサイクル処理で構成される.処理Aによって, 酸化チタン顔料周辺の樹脂が消失して塗膜表面に微小な穴が形成された.これらの穴は酸化チタンの光触媒作用によって樹脂が消失して形成されたと考えられる.処理Bでは, 穴は形成されず, 微小な凹凸が形成された.この凹凸は樹脂が加水分解や酸化によって体積収縮して形成されたと考えられる.20hの処理Bと2hの処理Aとのサイクル処理によって, 酸化チタン顔料含有塗膜4種の屋外での光沢低下を表面の形態変化も含め, 促進倍率約100倍で再現できた.
ISSN:1346-0633
2185-7016
DOI:10.11338/mls2001.13.180