微小部蛍光X線分析法による銅系防腐処理木材の元素分布解析

木材は昔から構造材料として使用されてきたが,腐朽や虫害に弱いという欠点がある.一般に銅系の防腐剤を木材に注入し腐朽や虫害に対処しているが,注入量不足,注入された防腐剤の不均一性などの問題点がある.今までの研究では,木材中の銅を確認するために切断する必要があった.木材を切断せず全サンプル検査するために,非破壊・非接触的に木材に注入された防腐剤の注入量を評価する方法が求められている.そこで,本研究では微小部蛍光X線分析法を用いて,元素の分布の取得を試みた.試料として防腐処理を施したオウシュウアカマツ材を用い,当研究室で作製した微小部蛍光X線分析装置を用いて測定した.試料表面と断面のCuとCa,Kの...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 50; pp. 105 - 112
Main Authors 藤原, 裕子, 中野, ひとみ, 藤井, 義久, 辻, 幸一, 仲西, 桃太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2019
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.50.0_105

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Summary:木材は昔から構造材料として使用されてきたが,腐朽や虫害に弱いという欠点がある.一般に銅系の防腐剤を木材に注入し腐朽や虫害に対処しているが,注入量不足,注入された防腐剤の不均一性などの問題点がある.今までの研究では,木材中の銅を確認するために切断する必要があった.木材を切断せず全サンプル検査するために,非破壊・非接触的に木材に注入された防腐剤の注入量を評価する方法が求められている.そこで,本研究では微小部蛍光X線分析法を用いて,元素の分布の取得を試みた.試料として防腐処理を施したオウシュウアカマツ材を用い,当研究室で作製した微小部蛍光X線分析装置を用いて測定した.試料表面と断面のCuとCa,KのXRFイメージング画像を取得した.木材の組織構造に応じて,銅の浸透深さが異なることが分かった.また,銅の蛍光X線の検出可能深さをランベルト-ベールの法則から計算した理論値と,実際に実験を行い得られた結果との比較を行った.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.50.0_105