放射線によるアデノシン三リン酸分子変異によって誘発される生物学的効果

リボ核酸の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)は,生体エネルギー供与物質として様々な生化学反応へエネルギーを供給している.また同時に,遺伝情報の仲介物質であるメッセンジャーRNAを合成するための基質として,さらには細胞間情報伝達物質としても働く.本研究では,放射線によりATPに生じた放射線障害が,ATPの持つ生物学作用にどのようにかかわっているかに注目して,その生物学的効果への寄与を解析することを試みた.そして,ATP分子の構造変化はがん細胞の放射線感受性に変化を生じさせている可能性を示唆する結果を得た....

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Published inX線分析の進歩 Vol. 51; pp. 251 - 259
Main Authors 藤井, 健太郎, 藤井, 紳一郎, 加藤, 大, 月本, 光俊, 秋光, 信佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2020
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.51.0_251

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Summary:リボ核酸の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)は,生体エネルギー供与物質として様々な生化学反応へエネルギーを供給している.また同時に,遺伝情報の仲介物質であるメッセンジャーRNAを合成するための基質として,さらには細胞間情報伝達物質としても働く.本研究では,放射線によりATPに生じた放射線障害が,ATPの持つ生物学作用にどのようにかかわっているかに注目して,その生物学的効果への寄与を解析することを試みた.そして,ATP分子の構造変化はがん細胞の放射線感受性に変化を生じさせている可能性を示唆する結果を得た.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.51.0_251