RDS触媒のマクロ細孔構造最適化に向けたX線CT法による内部構造の解析

石油資源の有効活用という観点からRDS(Residual hydro-desulfurization)装置は重要な装置である.本研究ではRDS装置に用いる触媒のマクロ細孔の最適化に向けて,寿命が異なる2種類の試製触媒(触媒A,触媒B)についてX線CT法を用いた内部構造解析を行った.細孔比率の解析結果から,寿命が短い触媒Bでは触媒Aに比べて使用による閉細孔の増加率が大きく閉塞しやすいことが分かった.触媒Bは触媒Aよりも小さな細孔の割合が大きいため,炭素質・除去金属分等の堆積によって閉塞しやすい構造となっていると考えられる.流体解析を用いた浸透率と浸透経路の解析を行い,浸透率は触媒Bの方が触媒Aよ...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 54; pp. 111 - 117
Main Authors 中岡, 哉徳, 岩波, 睦修, 山田, 周平, 木村, 信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2023
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.54.0_111

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Summary:石油資源の有効活用という観点からRDS(Residual hydro-desulfurization)装置は重要な装置である.本研究ではRDS装置に用いる触媒のマクロ細孔の最適化に向けて,寿命が異なる2種類の試製触媒(触媒A,触媒B)についてX線CT法を用いた内部構造解析を行った.細孔比率の解析結果から,寿命が短い触媒Bでは触媒Aに比べて使用による閉細孔の増加率が大きく閉塞しやすいことが分かった.触媒Bは触媒Aよりも小さな細孔の割合が大きいため,炭素質・除去金属分等の堆積によって閉塞しやすい構造となっていると考えられる.流体解析を用いた浸透率と浸透経路の解析を行い,浸透率は触媒Bの方が触媒Aよりも使用による減少が大きいことが分かった.また,触媒Aの方が浸透経路として細孔を有効に利用しているため細孔閉塞による影響を受けづらいと考えられる.X線CT法を用いた解析により,触媒の寿命に影響を与える内部構造の差異を明らかにした.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.54.0_111