各種血液疾患症例に対する抗真菌剤投与に関する検討

【目的】各種血液疾患に対して抗真菌剤が、どの程度投与され、どの程度感染症を発症していたかを検討する。【方法】2006~2007年の2年間に退院した症例のうち、骨髄移植ドナー17例を除く580例を対象とした。尚、剖検で深在性真菌症と診断された症例、各種培養検査で真菌を認めた症例のほか、各種血清学的補助診断法が陽性になった症例を深在性真菌症感染例として解析した。【結果および考察】症例の内訳は合計333名(男性187名、女性146名)で延580回入院していた。平均年齢は60歳。年代別では60歳代が91名延116回、70歳代が80名延141回、50歳代が57名延116回入院していた。580回の入院のう...

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Published inProgram and Abstracts of Annual Meeting of the Japanese Society for Medical Mycology Vol. 52; p. 55
Main Authors 有高, 奈々絵, 山本, 由子, 森, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2008
The Japanese Society for Medical Mycology
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ISSN0916-4804
DOI10.11534/jsmm.52.0.55.0

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Summary:【目的】各種血液疾患に対して抗真菌剤が、どの程度投与され、どの程度感染症を発症していたかを検討する。【方法】2006~2007年の2年間に退院した症例のうち、骨髄移植ドナー17例を除く580例を対象とした。尚、剖検で深在性真菌症と診断された症例、各種培養検査で真菌を認めた症例のほか、各種血清学的補助診断法が陽性になった症例を深在性真菌症感染例として解析した。【結果および考察】症例の内訳は合計333名(男性187名、女性146名)で延580回入院していた。平均年齢は60歳。年代別では60歳代が91名延116回、70歳代が80名延141回、50歳代が57名延116回入院していた。580回の入院のうち255例に何らかの抗真菌剤が投与されていた。基礎疾患別では各種白血病102例中77例(感染例 17例)に、悪性性リンパ腫294例中124例(感染例16例)に、多発性骨髄腫64例中23例(感染例2例)、骨髄異形成症候群26例中23例(感染例2例)、再生不良性貧血11例中3例(感染例1例)に抗真菌剤が投与されていた。投与開始時の薬剤はITCZが154例、FLCZが65例、MCFGが27例、L-AMBが6例などであった。当初から静注剤を投与した症例はより重篤であった。
Bibliography:P-013
ISSN:0916-4804
DOI:10.11534/jsmm.52.0.55.0