脳卒中者を持つ家族の介護負担感に対するリハビリテーション職による介入の効果:ランダム化比較試験のシステマティックレビュー

目的:リハビリテーション職による介入が脳卒中者を持つ家族の介護負担感の軽減につながっているか過去の研究から統合的な見解を得ること.方法:2つのデータベースから,脳卒中者を持つ家族の介護負担感に対するリハビリテーション職による介入を検討したランダム化比較試験を抽出し,系統的レビューによってその内容を評価した.結果:対象論文は11件であった.そのうち,脳卒中者を持つ家族に焦点をあてた研究は抽出されなかった.脳卒中者を持つ家族の介護負担感の軽減を示した研究は,ボツリヌス療法の有無を比較したものと,作業療法と非介入を比較したものであった.一方で,訪問介護や通常のリハビリテーションと比較した研究は介護負...

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Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 15 - 25
Main Authors 藤本, 修平, 杉田, 翔, 小向, 佳奈子, 小林, 資英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 20.03.2019
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ISSN2185-2928
2187-2791
DOI10.14442/generalist.42.15

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Summary:目的:リハビリテーション職による介入が脳卒中者を持つ家族の介護負担感の軽減につながっているか過去の研究から統合的な見解を得ること.方法:2つのデータベースから,脳卒中者を持つ家族の介護負担感に対するリハビリテーション職による介入を検討したランダム化比較試験を抽出し,系統的レビューによってその内容を評価した.結果:対象論文は11件であった.そのうち,脳卒中者を持つ家族に焦点をあてた研究は抽出されなかった.脳卒中者を持つ家族の介護負担感の軽減を示した研究は,ボツリヌス療法の有無を比較したものと,作業療法と非介入を比較したものであった.一方で,訪問介護や通常のリハビリテーションと比較した研究は介護負担感への効果が示されなかった.結論:脳卒中者を持つ家族の介護負担感に対するリハビリテーション職による介入は,訪問介護や通常のリハビリテーションと比較して介護負担感の軽減に至らないことが示唆された.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.42.15