重症冠動脈狭窄と頸動脈狭窄を合併し,経皮的冠動脈形成術と頸動脈ステント留置術を同時に施行した2例

一過性脳虚血発作(TIA)症状が切迫する高度頸動脈狭窄に,重度の冠動脈狭窄を合併する患者に頸動脈ステント留置術(CAS)と経皮的冠動脈形成術(PCI)を同時に施行した2例を経験した.症例1は78歳男性で,断続的な右上下肢の麻痺が頻回に出現しており,カテーテル造影検査では左内頸動脈の高度狭窄とともに冠動脈左前下行枝(LAD)にも高度狭窄を認めた.頸動脈狭窄に対して準緊急的に治療が必要と判断したが,冠動脈も高度狭窄であり,PCIに引き続いてCASを一期的に施行して治療した.症例2は77歳女性で,他院でPCIを施行されたが狭心症状が残存し,また右眼の一過性黒内障が出現するようになって当院受診した.カ...

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Published in日本冠疾患学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 147 - 152
Main Authors 板倉, 靖昌, 川崎, 智広, 保科, 瑞穂, 廣野, 喜之, 吉田, 俊彦, 橋本, 亨, 海老原, 敏郎, 有働, 晃博, 高瀬, 哲郎, 横田, 光俊, 倉持, 雄彦, 廣江, 道昭, 清水, しほ, 新田, 正光, 牧野, 仁人, 中村, 龍太, 吉原, 弘高, 飯塚, 大介, 谷口, 優, 三崎, 敦史, 廣瀬, 信, 三角, 和雄, 登根, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本冠疾患学会 25.06.2013
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ISSN1341-7703
2187-1949
DOI10.7793/jcoron.19.510

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Summary:一過性脳虚血発作(TIA)症状が切迫する高度頸動脈狭窄に,重度の冠動脈狭窄を合併する患者に頸動脈ステント留置術(CAS)と経皮的冠動脈形成術(PCI)を同時に施行した2例を経験した.症例1は78歳男性で,断続的な右上下肢の麻痺が頻回に出現しており,カテーテル造影検査では左内頸動脈の高度狭窄とともに冠動脈左前下行枝(LAD)にも高度狭窄を認めた.頸動脈狭窄に対して準緊急的に治療が必要と判断したが,冠動脈も高度狭窄であり,PCIに引き続いてCASを一期的に施行して治療した.症例2は77歳女性で,他院でPCIを施行されたが狭心症状が残存し,また右眼の一過性黒内障が出現するようになって当院受診した.カテーテル造影検査にて冠動脈3枝病変と,両側頸動脈高度狭窄を認めた.同日,冠動脈3枝と右内頸動脈に対してPCIとCASを施行した.後日左内頸動脈に対してCASを施行して治療を終了した.重症冠動脈疾患を合併する頸動脈狭窄の治療において,患者背景や施設状況により治療法を選択することが可能と思われる.
ISSN:1341-7703
2187-1949
DOI:10.7793/jcoron.19.510