EVAR術後のtype II endoleakに対し,open conversionを要した1治験例

要  旨:EVAR後,持続するtype II endoleakにより瘤径拡大をきたしopen conversionに至った症例を経験した.症例は61歳男性,径88 mmの腎動脈下AAAに対しEVAR施行.術後半年のCTで腰動脈からのtype II endoleakを認めたが,瘤径縮小(83 mm)していたため経過観察した.しかし,術後1年で瘤径再拡大(95 mm)をきたした.経動脈的塞栓術は血管屈曲が高度で不成功に終わり,手術を施行した.腎動脈下遮断が可能で,ステントグラフトメインボディは冷却下に牽引抜去,左右レッグは抜去せずに人工血管と縫合した.Type II endoleakからopen...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 4; pp. 759 - 763
Main Authors 石坂, 透, 松宮, 護郎, 田村, 友作, 渡邉, 倫子, 石田, 敬一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.06.2013
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.12-00083

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Summary:要  旨:EVAR後,持続するtype II endoleakにより瘤径拡大をきたしopen conversionに至った症例を経験した.症例は61歳男性,径88 mmの腎動脈下AAAに対しEVAR施行.術後半年のCTで腰動脈からのtype II endoleakを認めたが,瘤径縮小(83 mm)していたため経過観察した.しかし,術後1年で瘤径再拡大(95 mm)をきたした.経動脈的塞栓術は血管屈曲が高度で不成功に終わり,手術を施行した.腎動脈下遮断が可能で,ステントグラフトメインボディは冷却下に牽引抜去,左右レッグは抜去せずに人工血管と縫合した.Type II endoleakからopen conversionに至った報告は国内ではまだ少ない.術前瘤径が非常に大きい場合は,術後endoleakを考慮すると再手術のリスクファクターとなりうるため,若年で手術リスクが低ければ,初回人工血管置換手術を選択するのが望ましいといえる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.12-00083