国内における耳鳴診療に関する WEB 実態調査
要旨: 日常的に耳鳴患者を診察している医師 (耳鼻咽喉科医, 心療内科医, 精神科医) を対象に, 耳鳴の診療実態を把握し, 耳鳴治療の課題を整理することを目的として WEB アンケート調査を実施した。200床以上の耳鼻咽喉科医 (HP) 118名, 200床未満の耳鼻咽喉科医 (GP) 109名および心療内科医/精神科医54名の合計281名の医師から回答を得た。その結果, 耳鼻咽喉科 HP への耳鳴患者の紹介は耳鼻咽喉科および一般内科由来が多く, 全体として耳鳴患者の原疾患は難聴が多かった。そして最も多くの医師が実施していた治療選択肢は薬物療法であったが, 他の治療選択肢と比べて治療満足度は...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 67; no. 6; pp. 548 - 557 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.12.2024
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Summary: | 要旨: 日常的に耳鳴患者を診察している医師 (耳鼻咽喉科医, 心療内科医, 精神科医) を対象に, 耳鳴の診療実態を把握し, 耳鳴治療の課題を整理することを目的として WEB アンケート調査を実施した。200床以上の耳鼻咽喉科医 (HP) 118名, 200床未満の耳鼻咽喉科医 (GP) 109名および心療内科医/精神科医54名の合計281名の医師から回答を得た。その結果, 耳鼻咽喉科 HP への耳鳴患者の紹介は耳鼻咽喉科および一般内科由来が多く, 全体として耳鳴患者の原疾患は難聴が多かった。そして最も多くの医師が実施していた治療選択肢は薬物療法であったが, 他の治療選択肢と比べて治療満足度は最も低かった。今回のアンケート結果から, 頻用されている薬物療法ではその効果に満足できていないことや, 推奨度が高く且つ満足度も高い治療法があるものの課題があり普及しづらい側面があることが明らかになった。診療科や施設形態を問わず, 耳鳴に対する新たな治療選択肢が望まれている。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.67.548 |