認知症を有する重度パーキンソン病患者に対する 段階的難易度設定の技法を用いた起居動作練習

起居動作に介助が必要であった認知症を有する重度パーキンソン病患者に対し,段階的難易度設定の技法を用いた起居動作練習を行い,その効果について検討した.症例は,76歳女性で,Hoehn&YahrstageはⅤであった.介入では,段階的難易度設定の技法を用いた起き上がり動作練習と寝返り動作練習を約20分間実施した.仰臥位~側臥位,側臥位~肘立て位,肘立て位~端座位の3相をプロンプトによって得点化(計9点満点)した結果,本症例の介入前介助量(2~6病日)は0点であった.介入後の介助量は,1日目から順に9点→9点→3点→9点→9点であった.介入即日から動作能力に改善が見られたことから,今回の介入...

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Published in高知リハビリテーション専門職大学紀要 Vol. 4; pp. 37 - 40
Main Authors 山﨑, 裕司, 中山, 智晴, 古谷, 博和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション専門職大学 31.03.2023
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ISSN2435-2535
2435-2543
DOI10.15028/kochirehadai.4.0_37

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Summary:起居動作に介助が必要であった認知症を有する重度パーキンソン病患者に対し,段階的難易度設定の技法を用いた起居動作練習を行い,その効果について検討した.症例は,76歳女性で,Hoehn&YahrstageはⅤであった.介入では,段階的難易度設定の技法を用いた起き上がり動作練習と寝返り動作練習を約20分間実施した.仰臥位~側臥位,側臥位~肘立て位,肘立て位~端座位の3相をプロンプトによって得点化(計9点満点)した結果,本症例の介入前介助量(2~6病日)は0点であった.介入後の介助量は,1日目から順に9点→9点→3点→9点→9点であった.介入即日から動作能力に改善が見られたことから,今回の介入は,認知症を有する重度パーキンソン病患者の寝返り,起き上がり動作能力を改善させるうえで有効なものと考えられた.
ISSN:2435-2535
2435-2543
DOI:10.15028/kochirehadai.4.0_37