Fluorine-18 fluorodeoxyglucose(18F-FDG)投与法(前処置)による18F-FDG局所心筋取り込みの差異
心臓18F-FDG positron emission tomography(PET)では, 18F-FDG投与前処置法により, 左室局所心筋18F-FDG uptakeが変化することが知られている. 今回, 正常例45例を15例ずつ, 空腹時法, 糖負荷法(血糖値によりインスリン使用), インスリンクランプ法の3群に分け, これら前処置法による18F-FDG uptakeの左室心筋局所分布の差と心臓18F-FDG PETの診断能に及ぼす影響を検討した. 3群とも, 左室心筋内の18F-FDG uptakeは不均一であった. インスリンクランプ群と糖負荷群では, 18F-FDG分布パターンは類...
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Published in | 心臓 Vol. 41; no. 3; pp. 285 - 292 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.41.285 |
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Summary: | 心臓18F-FDG positron emission tomography(PET)では, 18F-FDG投与前処置法により, 左室局所心筋18F-FDG uptakeが変化することが知られている. 今回, 正常例45例を15例ずつ, 空腹時法, 糖負荷法(血糖値によりインスリン使用), インスリンクランプ法の3群に分け, これら前処置法による18F-FDG uptakeの左室心筋局所分布の差と心臓18F-FDG PETの診断能に及ぼす影響を検討した. 3群とも, 左室心筋内の18F-FDG uptakeは不均一であった. インスリンクランプ群と糖負荷群では, 18F-FDG分布パターンは類似していたが, 空腹時群では, %18F-FDG uptakeの最小部位に違いを認めた. さらに, インスリンクランプ群は, 糖負荷群よりも各領域内のuptakeの変動の少ない画像を形成した. 次に, 虚血性心筋症5例でインスリンクランプ群と糖負荷群で, 心筋viabilityの診断能を検討した. 感度と特異度は, 糖負荷群とインスリンクランプ群でそれぞれ, 75%と72%, 90%と93%で, インスリンクランプ群で, 特異度が有意(p<0.001)に良好であった. 糖負荷群で特異度が低かった理由として, 正常部位の18F-FDG uptakeが低いために, 相対的に非生存心筋部位のuptakeが高くなり, 疑陽性が増えたと考えられた. 18F-FDGuptakeの心筋内分布は, 前処置法により変化するが, 画像の質や心筋viability診断能からすると, 前処置法としては, インスリンクランプ法が最もよい方法と思われた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.285 |