舌骨に発生した淡明細胞型軟骨肉腫の1例

淡明細胞型軟骨肉腫(以下CCCS)は特殊型軟骨肉腫として扱われており,軟骨肉腫の中でも非常に稀な低悪性度の腫瘍である。今回われわれは舌骨に発生したCCCSの1例を経験したので報告する。症例は77歳女性で,左頸部腫瘤を主訴に受診し,CT,MRIで舌骨を原発とする腫瘍が疑われた。穿刺吸引細胞診では,ClassⅢの診断で,悪性腫瘍も考えられたため周囲の結合組織と,腫瘍の頭尾側の舌骨筋群を付着させるように摘出した。摘出検体の病理組織学的所見では,淡明細胞が胞巣状に増殖しており,免疫組織化学染色ではS-100蛋白陽性,CK7,CK18,CKAE1/AE陰性で細胞質にはPAS染色陽性顆粒が認められた。以上...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 3; pp. 313 - 318
Main Authors 太田, 裕崇, 榎本, 達仁, 大谷, 友里恵, 小原, 淳, 福島, 啓文, 北嶋, 達也, 瀧本, 雅文, 矢持, 淑子, 嶋根, 俊和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.313

Cover

More Information
Summary:淡明細胞型軟骨肉腫(以下CCCS)は特殊型軟骨肉腫として扱われており,軟骨肉腫の中でも非常に稀な低悪性度の腫瘍である。今回われわれは舌骨に発生したCCCSの1例を経験したので報告する。症例は77歳女性で,左頸部腫瘤を主訴に受診し,CT,MRIで舌骨を原発とする腫瘍が疑われた。穿刺吸引細胞診では,ClassⅢの診断で,悪性腫瘍も考えられたため周囲の結合組織と,腫瘍の頭尾側の舌骨筋群を付着させるように摘出した。摘出検体の病理組織学的所見では,淡明細胞が胞巣状に増殖しており,免疫組織化学染色ではS-100蛋白陽性,CK7,CK18,CKAE1/AE陰性で細胞質にはPAS染色陽性顆粒が認められた。以上よりCCCSと診断した。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.313