喉頭全摘出術後の咽頭皮膚瘻についての検討
咽頭皮膚瘻(PCF)は喉頭全摘出術後に遭遇する術後早期合併症のひとつである。2007年1月から2021年12月までの間に当科において喉頭癌に対して喉頭全摘出術を行った60例中,PCFをきたした症例の臨床的特徴について検討を行った。PCFを7例(12%)に認め,その中の4例(7%)が根治照射後の救済手術例であった。救済手術例においてはPCFの発現時期が遅くなるとともに,閉鎖にも長期間を要していた。術前の好中球・リンパ球比(NLR)が3以上の症例においては有意にPCFの発生が増加していた。根治照射後の喉頭全摘出術例においては,NLRがPCFの予測因子として有用である可能性が示唆された。...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 34; no. 2; pp. 145 - 150 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.34.145 |
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Summary: | 咽頭皮膚瘻(PCF)は喉頭全摘出術後に遭遇する術後早期合併症のひとつである。2007年1月から2021年12月までの間に当科において喉頭癌に対して喉頭全摘出術を行った60例中,PCFをきたした症例の臨床的特徴について検討を行った。PCFを7例(12%)に認め,その中の4例(7%)が根治照射後の救済手術例であった。救済手術例においてはPCFの発現時期が遅くなるとともに,閉鎖にも長期間を要していた。術前の好中球・リンパ球比(NLR)が3以上の症例においては有意にPCFの発生が増加していた。根治照射後の喉頭全摘出術例においては,NLRがPCFの予測因子として有用である可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.34.145 |