B型肝硬変を背景に肝細胞癌と細胆管細胞癌が同時発生した重複肝癌の1切除例

症例は64歳の男性で,B型肝硬変経過観察中に肝腫瘤性病変を発見され入院した.血清AFP, PIVKA-II値が高値を示し,腹部CT, MRIで肝S8a, S8cに腫瘤性病変を認めた.造影ではS8cの結節は後期相まで濃染が持続し非典型的であったが,多発肝細胞癌と診断し手術を施行した.病理組織学的,免疫組織学的にS8aの腫瘍は肝細胞癌,S8cの腫瘍は細胆管細胞癌で,重複肝癌と診断された.肝細胞癌と細胆管細胞癌の重複肝癌の報告例は少なく,文献的考察を加え報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 43; no. 11; pp. 1141 - 1145
Main Authors 池田, 匡宏, 竹浦, 千夏, 杉岡, 篤, 棚橋, 義直, 溝口, 良順, 岡部, 安博, 所, 隆昌, 香川, 幹, 守瀬, 善一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.2010
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.43.1141

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Summary:症例は64歳の男性で,B型肝硬変経過観察中に肝腫瘤性病変を発見され入院した.血清AFP, PIVKA-II値が高値を示し,腹部CT, MRIで肝S8a, S8cに腫瘤性病変を認めた.造影ではS8cの結節は後期相まで濃染が持続し非典型的であったが,多発肝細胞癌と診断し手術を施行した.病理組織学的,免疫組織学的にS8aの腫瘍は肝細胞癌,S8cの腫瘍は細胆管細胞癌で,重複肝癌と診断された.肝細胞癌と細胆管細胞癌の重複肝癌の報告例は少なく,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.43.1141