補聴外来における言語聴覚士の役割
要旨: 筆者らのクリニックにおける補聴外来の運営の実態を報告し, そこでの ST の役割を紹介し, 問題点を確認した上で, 今後の方向性について検討した。 患者315名を対象に補聴外来における離脱率, 補聴器購入率, 患者満足度を調査した。補聴器装用導入の 1st step だけで終わった者は41名 (13.0%) で, 試聴/貸出期間の 2nd step に進んだが適合検査に至らず離脱した者は47名 (17.2%) であった。購入率は試聴/貸出を行った者の81.0%であった。1st step, 2nd step の何れにおいても患者満足度は96.2%, 92.7%と極めて高かった。 本調...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 67; no. 6; pp. 567 - 574 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.12.2024
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Summary: | 要旨: 筆者らのクリニックにおける補聴外来の運営の実態を報告し, そこでの ST の役割を紹介し, 問題点を確認した上で, 今後の方向性について検討した。 患者315名を対象に補聴外来における離脱率, 補聴器購入率, 患者満足度を調査した。補聴器装用導入の 1st step だけで終わった者は41名 (13.0%) で, 試聴/貸出期間の 2nd step に進んだが適合検査に至らず離脱した者は47名 (17.2%) であった。購入率は試聴/貸出を行った者の81.0%であった。1st step, 2nd step の何れにおいても患者満足度は96.2%, 92.7%と極めて高かった。 本調査では高い満足度と補聴器購入率が得られており, ST が補聴診療を統括する医師の指示のもと, 医師の業務を支え, チームとしての補聴外来が機能するようコーディネートしながら, 患者の受容を支援することが, 患者が満足して補聴器を装用することにつながると考えられた。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.67.567 |