本邦における一側性感音難聴の実態と聴覚補償の介入状況について
要旨: AMED 研究「全国調査による一側性聴覚障害者の実態把握および診断・治療指針の作成に関する研究」事業 (代表 : 山岨達也) で一側性感音難聴の全国規模での実態把握を目的として行ったアンケート調査の結果を報告した。一次調査では発症年齢, 原因疾患, 重症度, 聴覚補償介入の有無を検討した。二次調査は介入ありの症例に対して, 介入補償機器の種類, 介入目的, 介入効果について検討した。小児先天例では蝸牛神経管・内耳道狭窄が最多で, 小児後天性, 成人例では突発性難聴が最多であった。重症度は小児では重度が多いのに対して成人では中等度が多かった。聴覚補償介入は小児では2.4%, 成人では4....
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 67; no. 6; pp. 534 - 541 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.12.2024
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Summary: | 要旨: AMED 研究「全国調査による一側性聴覚障害者の実態把握および診断・治療指針の作成に関する研究」事業 (代表 : 山岨達也) で一側性感音難聴の全国規模での実態把握を目的として行ったアンケート調査の結果を報告した。一次調査では発症年齢, 原因疾患, 重症度, 聴覚補償介入の有無を検討した。二次調査は介入ありの症例に対して, 介入補償機器の種類, 介入目的, 介入効果について検討した。小児先天例では蝸牛神経管・内耳道狭窄が最多で, 小児後天性, 成人例では突発性難聴が最多であった。重症度は小児では重度が多いのに対して成人では中等度が多かった。聴覚補償介入は小児では2.4%, 成人では4.0%に行われていた。介入例で使用された補償機器は気導補聴器が最も多く, 100dB 超の聴力ではクロス補聴器が用いられた。介入目的は聴覚困難が多く, 耳鳴, 方向感改善は少なかった。補聴効果は聴力レベルにかかわらず,一定数で認められ,補聴器試聴の重要性が示唆された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.67.534 |