腹部刺創による十二指腸損傷に対しDamage control surgery後膵頭十二指腸切除術を施行した1例

腹部刺創に対してDamage control surgery (DCS) 後に膵頭十二指腸切除術 (PD) を行い救命した1例を経験したので報告する. 症例は44歳男性, 自身で腹部を刃渡り20cmの包丁で刺したまま救急搬送となった. 来院時Glasgow Coma Scale (GCS) 12, E3V4M5, 血圧60/40mmHg, 脈拍143回/分とショック状態で緊急手術となった. 包丁は胃, 横行結腸間膜, 十二指腸を貫通し, 右腎門部に達し, 拍動性の出血をきたしていた. また回腸末端にも損傷を認めた. ショックバイタルでありDCSの方針として右腎摘出, 腸管の仮閉鎖, ガーゼパッ...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 13 - 16
Main Authors 村田, 宇謙, 河内, 順, 深井, 隆太, 澤村, 直輝, 久米, 菜央, 篠崎, 伸明, 柏木, 宏之, 三宅, 克典, 下山, ライ, 西田, 智喜, 磯貝, 尚子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.01.2020
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.34.1_03

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Summary:腹部刺創に対してDamage control surgery (DCS) 後に膵頭十二指腸切除術 (PD) を行い救命した1例を経験したので報告する. 症例は44歳男性, 自身で腹部を刃渡り20cmの包丁で刺したまま救急搬送となった. 来院時Glasgow Coma Scale (GCS) 12, E3V4M5, 血圧60/40mmHg, 脈拍143回/分とショック状態で緊急手術となった. 包丁は胃, 横行結腸間膜, 十二指腸を貫通し, 右腎門部に達し, 拍動性の出血をきたしていた. また回腸末端にも損傷を認めた. ショックバイタルでありDCSの方針として右腎摘出, 腸管の仮閉鎖, ガーゼパッキング, 仮閉腹とした. 翌日再開腹し, 複雑性十二指腸損傷のため, PDを施行し術後40日目で自宅退院となった.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.34.1_03