感染性膵壊死に対するインターベンション治療に難渋した1症例
症例は79歳女性, 特記すべき既往はない。突然の心窩部痛と嘔吐にて当院救急搬送され, 特発性急性重症膵炎の診断で入院した。その後, 多臓器不全のためICU入室し, 抗菌薬加療, 持続腎代替療法など全身管理を行った。第29病日に感染性膵壊死による敗血症性ショックをきたし, 左前腎傍腔と骨盤腔膿瘍に対して超音波ガイド下経皮的ドレナージ術を施行した。経過とともにドレナージチューブのサイズアップを適宜行ったが, ときに洗浄不良をきたしドレナージに難渋した。皮膚トラブルもみられており, 膿瘍のドレナージ不良, 長期留置カテーテルの血流感染症による敗血症から多臓器不全のため第78病日に死亡退院した。感染性...
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Published in | 日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 479 - 482 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本救急医学会関東地方会
28.12.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0287-301X 2434-2580 |
DOI | 10.24697/jaamkanto.41.4_479 |
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Summary: | 症例は79歳女性, 特記すべき既往はない。突然の心窩部痛と嘔吐にて当院救急搬送され, 特発性急性重症膵炎の診断で入院した。その後, 多臓器不全のためICU入室し, 抗菌薬加療, 持続腎代替療法など全身管理を行った。第29病日に感染性膵壊死による敗血症性ショックをきたし, 左前腎傍腔と骨盤腔膿瘍に対して超音波ガイド下経皮的ドレナージ術を施行した。経過とともにドレナージチューブのサイズアップを適宜行ったが, ときに洗浄不良をきたしドレナージに難渋した。皮膚トラブルもみられており, 膿瘍のドレナージ不良, 長期留置カテーテルの血流感染症による敗血症から多臓器不全のため第78病日に死亡退院した。感染性膵壊死の治療戦略としてStep-up approachが提唱されているが, インターベンションの具体的な方法, ネクロセクトミーへの移行時期など不明な点が多く, 今後の症例蓄積が必要である。 |
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ISSN: | 0287-301X 2434-2580 |
DOI: | 10.24697/jaamkanto.41.4_479 |