小児気道異物予防のための啓発活動の実際

小児の気道異物事故は毎年発生しており,死亡例の報告もある。気道異物は迅速な対応を要するとともに予防可能な疾患であり,本疾患のメカニズムや事故の危険性,症状や初期対応,予防の重要性について,保護者や保育者など小児に関わる大人へ啓発することが肝要である。啓発活動における耳鼻咽喉科医の役割は講演やリーフレット配布などによる情報提供に留まらない。乳幼児の発達・食事・行動特性などの問題にまで踏み込んだ啓発のためには,看護師・保育士・栄養士等の多職種連携によるチームでの活動とわかりやすい啓発ツールの活用が効果的である。少人数の保護者を対象として直接対話をすることで,参加者が確実に啓発内容を理解できると考え...

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Published in小児耳鼻咽喉科 Vol. 44; no. 3; pp. 348 - 354
Main Author 坂井田, 麻祐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2024
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.44.348

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Summary:小児の気道異物事故は毎年発生しており,死亡例の報告もある。気道異物は迅速な対応を要するとともに予防可能な疾患であり,本疾患のメカニズムや事故の危険性,症状や初期対応,予防の重要性について,保護者や保育者など小児に関わる大人へ啓発することが肝要である。啓発活動における耳鼻咽喉科医の役割は講演やリーフレット配布などによる情報提供に留まらない。乳幼児の発達・食事・行動特性などの問題にまで踏み込んだ啓発のためには,看護師・保育士・栄養士等の多職種連携によるチームでの活動とわかりやすい啓発ツールの活用が効果的である。少人数の保護者を対象として直接対話をすることで,参加者が確実に啓発内容を理解できると考えられ,このような活動が全国的に普及することを期待する。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.44.348