LACTITOL(NS-4)のラットにおける13週間反復経口投与毒性試験ならびに5週間回復試験

Lactitolの安全性を検討するために, 0, 0.625, 2.5および10 g/kgの投与用量で, ラットを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験を実施し, さらに5週間回復試験を行い, 以下の結果を得た。1. 一般臨床検査では, 軟便および摂餌量の減少が2.5 g/kg投与群に, 軟便ないし下痢便およびそれらに伴う被毛汚損, 腹部膨満, 流涎, 立毛, 体重の増加抑制, 摂餌量の減少, 摂水量の増加が10 g/kg 投与群において認められた。死亡は全ての群において認められなかった。眼科的検査では試験物質の影響を示唆する変化はみられなかった。2. 尿検査では, 尿量およびK+排...

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Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 19; no. SupplementIII; pp. 305 - 326
Main Authors 西口, 保幸, 石橋, 成太良, 垂井, 睦, 藤本, 正次, 俵谷, 武治, 吉田, 勝, 内本, 啓史, 安達, 孝浩, 浜洲, 泰久, 鷲見, 信好
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1994
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Summary:Lactitolの安全性を検討するために, 0, 0.625, 2.5および10 g/kgの投与用量で, ラットを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験を実施し, さらに5週間回復試験を行い, 以下の結果を得た。1. 一般臨床検査では, 軟便および摂餌量の減少が2.5 g/kg投与群に, 軟便ないし下痢便およびそれらに伴う被毛汚損, 腹部膨満, 流涎, 立毛, 体重の増加抑制, 摂餌量の減少, 摂水量の増加が10 g/kg 投与群において認められた。死亡は全ての群において認められなかった。眼科的検査では試験物質の影響を示唆する変化はみられなかった。2. 尿検査では, 尿量およびK+排泄量の減少が10 g/kg投与群に認められた。3. 血液学的検査では, 特に記すべき変化は認められなかった。4. 血液化学的検査では, ALPの低下, 総cholesterol, triglyceride, 血糖, Ca, Na+, Cl-, 総蛋白およびα-globulin, β-globulinならびにγ-globulinの減少が10 g/kg投与群に認められた。5. 病理学的検査では, 盲腸重量の増加が0.625, 2.5および10 g/kg投与群に, 胸腺重量の減少ならびに副腎重量の増加が10 g/kg投与群に認められた。盲腸の膨満および盲腸粘膜の過形成, 副腎皮質束状帯細胞の肥大が2.5および10g/kg投与群に認められた。6. 回復性試験では, 投与期間終了時にみられた変化のうち盲腸重量の増加が0.625, 2.5および10 g/kg投与群に, 盲腸膨満が2.5および10 g/kg投与群に認められた。その他の変化については良好な回復性が認められた。7. 本試験の最低用量である0.625 g/kg投与群において, 盲腸重量の増加が認められた。しかしながら, この変化の程度はごく軽微であり, また0.625 g/kg投与群では他に, 軟便, 下痢便, 盲腸の膨満, 盲腸粘膜の過形成等は一切認められず, このごく軽微な盲腸重量の増加は毒性学的には特に問題はないものと考えられる。従って, 今回の試験における無毒性量は0.625 g/kgと推察された。
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.19.SupplementIII_305