航空機内での圧変化が原因と思われる鋭的外傷後大腿深動脈仮性動脈瘤破裂の1例

症例は29歳のベトナム人男性. ナイフで左大腿外側部を刺され, 近医へ搬送された. 造影CT検査では動脈損傷を認めず, 創縫合のみ実施され入院加療となった. 入院4日目に退院し, 退院翌日にベトナムへ帰国のため搭乗した民間航空機内で突然の左大腿部の腫脹, 疼痛が出現したため緊急着陸後に前医を受診した. 造影CT検査で左大腿深動脈仮性動脈瘤破裂の診断となり当センターへ転送となった. 当センター搬入後, コイル塞栓術を計2回施行したが, 根治が困難であったため, 外科的に仮性動脈瘤切除術を行い, その後の経過は良好で入院29日目に退院し, 退院翌日に航空機で帰国した. 鋭的外傷受傷早期の航空機搭乗...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 17 - 21
Main Authors 入江, 悠平, 仲村, 佳彦, 星野, 耕大, 喜多村, 泰輔, 村西, 謙太郎, 石倉, 宏恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.01.2020
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.34.1_05

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Summary:症例は29歳のベトナム人男性. ナイフで左大腿外側部を刺され, 近医へ搬送された. 造影CT検査では動脈損傷を認めず, 創縫合のみ実施され入院加療となった. 入院4日目に退院し, 退院翌日にベトナムへ帰国のため搭乗した民間航空機内で突然の左大腿部の腫脹, 疼痛が出現したため緊急着陸後に前医を受診した. 造影CT検査で左大腿深動脈仮性動脈瘤破裂の診断となり当センターへ転送となった. 当センター搬入後, コイル塞栓術を計2回施行したが, 根治が困難であったため, 外科的に仮性動脈瘤切除術を行い, その後の経過は良好で入院29日目に退院し, 退院翌日に航空機で帰国した. 鋭的外傷受傷早期の航空機搭乗時には, 搭乗前に画像検査による仮性動脈瘤の検索が必要である.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.34.1_05