積極的な気道クリアランスが奏功した過粘稠性Klebsiella pneumoniaeによる難治性肺炎の1例

70歳代男性。痙攣重積状態で入院し, 挿管管理とした。入院後は痙攣の再発はなく経過し, 意識状態が改善したため第2病日に抜管をした。しかしその後呼吸状態の増悪を認めたため肺炎の診断で第3病日に再挿管を行い, 抗菌薬の投与を開始した。同時に理学療法の介入も試みたが頻脈性発作性心房細動の合併などによるバイタルサインの変動が大きく, 積極的な介入は行うことができなかった。喀痰培養ではKlebsiella pneumoniaeを検出し, 使用抗菌薬に感受性も認められたが, 呼吸状態の改善は乏しく, 第6病日になっても39℃台の発熱と炎症反応の高値が遷延していた。その後検出したKlebsiella pn...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 41; no. 2; pp. 281 - 284
Main Authors 藤沢, 篤夫, 室谷, 直樹, 小林, 祐介, 菊野, 隆明, 本間, 佐和子, 太田, 慧, 渡瀬, 瑛, 鈴木, 亮, 尾本, 健一郎, 山本, 太平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 31.03.2020
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ISSN0287-301X
2434-2580
DOI10.24697/jaamkanto.41.2_281

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Summary:70歳代男性。痙攣重積状態で入院し, 挿管管理とした。入院後は痙攣の再発はなく経過し, 意識状態が改善したため第2病日に抜管をした。しかしその後呼吸状態の増悪を認めたため肺炎の診断で第3病日に再挿管を行い, 抗菌薬の投与を開始した。同時に理学療法の介入も試みたが頻脈性発作性心房細動の合併などによるバイタルサインの変動が大きく, 積極的な介入は行うことができなかった。喀痰培養ではKlebsiella pneumoniaeを検出し, 使用抗菌薬に感受性も認められたが, 呼吸状態の改善は乏しく, 第6病日になっても39℃台の発熱と炎症反応の高値が遷延していた。その後検出したKlebsiella pneumoniaeがstring test陽性の過粘稠性であることが判明し, 第9病日より安静度を上げて積極的に理学療法を行ったところ, 状態の改善を認めた。Klebsiella pneumoniae肺炎を認めた際には, 過粘稠性の評価を行い, 過粘稠性であればより積極的な気道クリアランスを図ることが重要であることが示唆された。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.41.2_281