心肺停止蘇生後くも膜下出血患者の治療介入の検討

【目的】院外心停止くも膜下出血症例 (out-of-hospital cardiac arrest caused by subarachnoid hemorrhage ; OHCA-SAH) は非常に転帰不良と報告されている。そこで, 当院救命救急センターに搬送されたOHCA-SAH症例の治療の転帰, 治療の妥当性, 転帰に関与する因子を検討することとした。【対象】2015年11月~2022年7月に当院救命救急センターに搬送されたOHCA-SAH症例の87例を対象とした。【結果】治療介入できたのは5例であった。前方循環2例, 後方循環3例。開頭術3例, 血管内治療2例であった。転帰はmRS 2...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 283 - 288
Main Authors 小川, 太志, 直江, 康孝, 金谷, 貴大, 鈴木, 剛, 重田, 健太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 28.12.2023
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ISSN0287-301X
2434-2580
DOI10.24697/jaamkanto.44.4_283

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Summary:【目的】院外心停止くも膜下出血症例 (out-of-hospital cardiac arrest caused by subarachnoid hemorrhage ; OHCA-SAH) は非常に転帰不良と報告されている。そこで, 当院救命救急センターに搬送されたOHCA-SAH症例の治療の転帰, 治療の妥当性, 転帰に関与する因子を検討することとした。【対象】2015年11月~2022年7月に当院救命救急センターに搬送されたOHCA-SAH症例の87例を対象とした。【結果】治療介入できたのは5例であった。前方循環2例, 後方循環3例。開頭術3例, 血管内治療2例であった。転帰はmRS 2~4が各1例, mRS 5が2例であった。【考察】OHCA-SAH症例は転帰不良の報告も多く治療適応になることはきわめて少なく, われわれの検討でも治療介入できた症例はわずかであった。対光反射が保たれている症例, 比較的若い症例は転帰良好症例も存在した。【結語】OHCA-SAH症例は転帰不良例が多いが, そのなかでも転帰良好症例はわずかながら存在するので治療介入の検討はすべきと考える。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.44.4_283