PREDNISOLONE FARNESYLATE (PNF)の生殖・発生毒性試験(第1報) : ラット皮下投与による妊娠前および妊娠初期投与試験
PNFの0.04, 0.2および1mg/kgをCrj: CD(SD)系ラットの妊娠前および妊娠初期に皮下投与し, 親動物および胎児に及ぼす影響について検討し, 以下の結果を得た。1. 親動物に対しては, 0.2mg/kg以上の投与群の雄および1 mg/kg投与群の雌に投与部およびその周辺部皮膚の脱毛, 薄毛あるいは痂皮形成が高頻度にみられ, これらの投与群では剖検時に投与部皮膚の非薄化, 胸腺の萎縮およびPNFの貯留が認められた。さらに1 mg/kg投与群の雌雄には体重の増加抑制および摂餌量の減少も認められた。2. 親動物の生殖能力に対しては, 性周期, 交尾所要日数, 交尾率, 妊孕率および...
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Published in | The Journal of Toxicological Sciences Vol. 17; no. SupplementIII; pp. 201 - 215 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
一般社団法人 日本毒性学会
1992
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Summary: | PNFの0.04, 0.2および1mg/kgをCrj: CD(SD)系ラットの妊娠前および妊娠初期に皮下投与し, 親動物および胎児に及ぼす影響について検討し, 以下の結果を得た。1. 親動物に対しては, 0.2mg/kg以上の投与群の雄および1 mg/kg投与群の雌に投与部およびその周辺部皮膚の脱毛, 薄毛あるいは痂皮形成が高頻度にみられ, これらの投与群では剖検時に投与部皮膚の非薄化, 胸腺の萎縮およびPNFの貯留が認められた。さらに1 mg/kg投与群の雌雄には体重の増加抑制および摂餌量の減少も認められた。2. 親動物の生殖能力に対しては, 性周期, 交尾所要日数, 交尾率, 妊孕率および受胎率にPNFの影響は認められなかった。3. 胚・胎児に対しては, PNFによる排卵・着床阻害作用, 胚・胎児致死作用, 発育抑制作用および催奇形作用のいずれも認められなかった。4. 以上のことから, 本試験条件下における親動物の一般毒性学的無影響量は0.04mg/kgであり, 親動物の生殖能力に対する無影響量および胎児の発生・発育に対する無影響量は1 mg/kg以上であると判断された。 |
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ISSN: | 0388-1350 1880-3989 |
DOI: | 10.2131/jts.17.SupplementIII_201 |