大量出血を伴う外傷患者における心拍数の検討

大量出血を伴う外傷患者と心拍数の関係および乳酸値, ヘモグロビン値, プロトロンビン活性値, フィブリノゲン値について検討した。救急初療室において収縮期血圧が100mmHg未満に低下した外傷症例を対象とし, 後方視的に解析した。当院へ救急搬送された外傷症例の内, 血圧低下を来し来院後24時間以内に赤血球輸血を6単位以上施行した81例について, 頻脈 (心拍数≧100回/分以上) がみられなかった症例は25例 (30.9%) であった。頻脈がみられた症例とみられなかった症例で平均ISSと死亡率に有意差は認められなかった。また, 心拍数および乳酸値, ヘモグロビン値, プロトロンビン活性値, フィ...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 41; no. 2; pp. 234 - 237
Main Authors 宮崎, 善史, 岩瀬, 史明, 井上, 潤一, 松本, 学, 河野, 陽介, 柳沢, 政彦, 笹本, 将継, 萩原, 一樹, 川島, 佑太, 河西, 浩人, 原田, 薫, 松本, 隆, 森, 紗耶香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 31.03.2020
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Summary:大量出血を伴う外傷患者と心拍数の関係および乳酸値, ヘモグロビン値, プロトロンビン活性値, フィブリノゲン値について検討した。救急初療室において収縮期血圧が100mmHg未満に低下した外傷症例を対象とし, 後方視的に解析した。当院へ救急搬送された外傷症例の内, 血圧低下を来し来院後24時間以内に赤血球輸血を6単位以上施行した81例について, 頻脈 (心拍数≧100回/分以上) がみられなかった症例は25例 (30.9%) であった。頻脈がみられた症例とみられなかった症例で平均ISSと死亡率に有意差は認められなかった。また, 心拍数および乳酸値, ヘモグロビン値, プロトロンビン活性値, フィブリノゲン値と死亡率への影響では, 有意に寄与しているものはみられなかった。頻脈は循環動態が不安定であることを認知する指標の一つではあるが, これのみに頼るのではなく, その他の所見も集約して判断することが大切であると考えられた。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.41.2_234