脳室-腹腔シャント留置下で急性胆囊炎に対して腹腔鏡下胆囊摘出術を行った1例

79歳女性が入院中に急性胆囊炎を発症した。30年前にくも膜下出血後の水頭症に対して脳室-腹腔シャント (ventriculoperitoneal shunt, 以下VPS) が留置されていた。VPS留置下だが耐術はあるため, 腹腔鏡下胆囊摘出術 (laparoscopic cholecystectomy, 以下LC) を施行した。シャントチューブをクランプするなどの処置は破損や閉塞などのリスクがあるため行わず, 手術はCO2気腹法 (最大気腹圧12mmHg) でシャントチューブに注意し, 従来通りのLCを施行した。術中術後に明らかな頭蓋内圧亢進や逆行性感染は認めず, チューブトラブルなく経過は...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 41; no. 2; pp. 336 - 339
Main Authors 岡田, 一郎, 長谷川, 栄寿, 谷河, 篤, 井上, 和茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 31.03.2020
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ISSN0287-301X
2434-2580
DOI10.24697/jaamkanto.41.2_336

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Summary:79歳女性が入院中に急性胆囊炎を発症した。30年前にくも膜下出血後の水頭症に対して脳室-腹腔シャント (ventriculoperitoneal shunt, 以下VPS) が留置されていた。VPS留置下だが耐術はあるため, 腹腔鏡下胆囊摘出術 (laparoscopic cholecystectomy, 以下LC) を施行した。シャントチューブをクランプするなどの処置は破損や閉塞などのリスクがあるため行わず, 手術はCO2気腹法 (最大気腹圧12mmHg) でシャントチューブに注意し, 従来通りのLCを施行した。術中術後に明らかな頭蓋内圧亢進や逆行性感染は認めず, チューブトラブルなく経過は良好であった。VPS留置下の急性胆囊炎であっても従来通りのLCが安全に施行できると考えられた。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.41.2_336