外傷性咽頭後間隙血腫による遅発性気道狭窄を来した症例 : 症例報告
【背景】咽頭後間隙血腫 (Retropharyngeal Hematoma : RPH) は鈍的外傷のうち約1%と低頻度であるが, 気道狭窄を来すことがある. 【症例】79歳, 女性. 交通外傷で救急搬送となる. CTを施行したところ, 咽頭後間隙前後径 (以下, 前後径) はC2 12mm, C6 11.7mm でありRPHと診断した. 来院時の呼吸・循環動態は保たれていたが, 来院5時間後に気道狭窄を来した. 経口気管挿管は困難であり, 輪状甲状靱帯間膜切開を行い, 翌日気管切開術を施行した. 血腫の消退とともに気道狭窄は改善し, 入院42日目に気管切開チューブを抜去, 自宅退院となった...
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Published in | 日本外傷学会雑誌 Vol. 39; no. 1; pp. 1 - 5 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外傷学会
20.01.2025
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Summary: | 【背景】咽頭後間隙血腫 (Retropharyngeal Hematoma : RPH) は鈍的外傷のうち約1%と低頻度であるが, 気道狭窄を来すことがある. 【症例】79歳, 女性. 交通外傷で救急搬送となる. CTを施行したところ, 咽頭後間隙前後径 (以下, 前後径) はC2 12mm, C6 11.7mm でありRPHと診断した. 来院時の呼吸・循環動態は保たれていたが, 来院5時間後に気道狭窄を来した. 経口気管挿管は困難であり, 輪状甲状靱帯間膜切開を行い, 翌日気管切開術を施行した. 血腫の消退とともに気道狭窄は改善し, 入院42日目に気管切開チューブを抜去, 自宅退院となった. 【考察】RPHは遅発的に気道狭窄を起こす可能性があり, 厳重な経過観察と適切な気道管理が重要となる. |
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ISSN: | 1340-6264 2188-0190 |
DOI: | 10.11382/jjast.39.1_01 |