胸腔鏡を先行させ開胸アプローチで修復した穿通性横隔膜損傷の1例

胸部刺創による左横隔膜損傷に対し, 胸腔鏡を先行させた開胸アプローチによる横隔膜修復術を行い救命した1例を経験したので報告する. 症例は60歳代男性, 左頸部と左胸部をナイフで刺され, 前医へ救急搬送された. CT検査で左横隔膜損傷を認めたため, 精査加療目的に当院へ救急搬送された. 身体所見・CT検査所見では腹腔内臓器損傷を疑う所見は認めなかったため, 開胸アプローチによる左横隔膜修復術を施行した. 術後経過は良好で, 第14病日に独歩退院となった. 胸部の穿通性外傷による横隔膜損傷では, 腹腔内臓器損傷を疑う所見がなければ, 手術操作のしやすさや術後合併症の減少という観点から胸部アプローチ...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 8 - 11
Main Authors 中澤, 世識, 沼尻, 一樹, 調, 憲, 徳江, 浩之, 青木, 誠, 村田, 将人, 澤田, 悠輔, 矢島, 俊樹, 矢嶋, 尚生, 大嶋, 清宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.01.2021
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.35.1_02

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Summary:胸部刺創による左横隔膜損傷に対し, 胸腔鏡を先行させた開胸アプローチによる横隔膜修復術を行い救命した1例を経験したので報告する. 症例は60歳代男性, 左頸部と左胸部をナイフで刺され, 前医へ救急搬送された. CT検査で左横隔膜損傷を認めたため, 精査加療目的に当院へ救急搬送された. 身体所見・CT検査所見では腹腔内臓器損傷を疑う所見は認めなかったため, 開胸アプローチによる左横隔膜修復術を施行した. 術後経過は良好で, 第14病日に独歩退院となった. 胸部の穿通性外傷による横隔膜損傷では, 腹腔内臓器損傷を疑う所見がなければ, 手術操作のしやすさや術後合併症の減少という観点から胸部アプローチを検討すべきである.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.35.1_02