興味深い病理所見を呈したインプラント周囲大腿骨骨幹部骨折の一例 インプラントが原因か?ビスホスホネートが原因か

非定型大腿骨骨折(AFF)の所見を有するインプラント周囲骨折の一例に対して,インプラントが原因か? ビスホスホネートが原因か考察報告する.症例は85歳女性.12年前よりビスホスホネート(BP)内服を開始した.11年前に右大腿骨頸部骨折に対して人工骨頭置換術を施行後,6年前より単純X線にて右大腿骨外側に限局する皮質骨肥厚を認めた.2ヶ月前より歩行時の右大腿外側痛認めたことからBP休薬後にテリパラチド(PTH)投与を開始した.階段昇降の訓練中に骨折をきたした.単純X線にて右大腿骨ステム周囲骨折Vancourver分類type B1と診断した.骨接合の際に皮質骨肥厚部を骨生検し,標本上は低骨代謝回転...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 4; pp. 788 - 792
Main Authors 岩元, 俊樹, 有田, 忍, 石倉, 透, 福原, 志東, 赤星, 正二郎, 馬場, 賢治, 塚本, 学, 沖本, 信和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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Summary:非定型大腿骨骨折(AFF)の所見を有するインプラント周囲骨折の一例に対して,インプラントが原因か? ビスホスホネートが原因か考察報告する.症例は85歳女性.12年前よりビスホスホネート(BP)内服を開始した.11年前に右大腿骨頸部骨折に対して人工骨頭置換術を施行後,6年前より単純X線にて右大腿骨外側に限局する皮質骨肥厚を認めた.2ヶ月前より歩行時の右大腿外側痛認めたことからBP休薬後にテリパラチド(PTH)投与を開始した.階段昇降の訓練中に骨折をきたした.単純X線にて右大腿骨ステム周囲骨折Vancourver分類type B1と診断した.骨接合の際に皮質骨肥厚部を骨生検し,標本上は低骨代謝回転を示唆する所見であった.現在,疼痛なく歩行器歩行訓練中である.インプラント周囲に骨折をきたし,長期にBPが投与されているような症例では,血液化学検査のデータでは骨代謝回転が正常であっても,局所では低骨代謝回転をきたし骨折の原因となっている可能性がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.788