小腸閉塞症の診断と治療方針決定のための水溶性造影剤(ガストログラフィン®)を用いた経口造影検査の有用性
【目的】小腸閉塞症の診断と治療方針決定のため水溶性造影剤(ガストログラフィン®)での消化管造影検査の有用性を検討した。【対象と方法】:2008年1月より2015年12月までに単純性小腸閉塞症で,保存的治療後ガストログラフィン®による消化管造影検査を施行した連続した878例を対象とし,臨床経過を検討した。造影所見により完全型小腸閉塞症(Ⅰ型・Ⅱ型;手術療法),不完全型小腸閉塞症(ⅢA型・ⅢB型;保存治療)に分類した。【結果】:Ⅰ型+Ⅱ型は135例(15%),ⅢA型+ⅢB型は743例(85%)。手術症例の手術までの平均日数は2.1日。ⅢA型の経口摂取開始日,入院日数は2.6日,10.6日,ⅢB型は...
Saved in:
Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 4; pp. 565 - 570 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.37.565 |
Cover
Summary: | 【目的】小腸閉塞症の診断と治療方針決定のため水溶性造影剤(ガストログラフィン®)での消化管造影検査の有用性を検討した。【対象と方法】:2008年1月より2015年12月までに単純性小腸閉塞症で,保存的治療後ガストログラフィン®による消化管造影検査を施行した連続した878例を対象とし,臨床経過を検討した。造影所見により完全型小腸閉塞症(Ⅰ型・Ⅱ型;手術療法),不完全型小腸閉塞症(ⅢA型・ⅢB型;保存治療)に分類した。【結果】:Ⅰ型+Ⅱ型は135例(15%),ⅢA型+ⅢB型は743例(85%)。手術症例の手術までの平均日数は2.1日。ⅢA型の経口摂取開始日,入院日数は2.6日,10.6日,ⅢB型は2.1日,8.5日であった。【結語】:ガストログラフィン®による造影検査で,完全小腸閉塞症は早期に手術を行うことができた。不完全小腸閉塞症は早期に腸閉塞が解除され,早期経口摂取開始,在院日数の短縮につながった。 |
---|---|
ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.37.565 |