草刈りの実施は緑化施工後初期林道のり面への在来種の侵入を促進するか

外来牧草は早期緑化を目的とした緑化工に広く用いられてきたが,旺盛な繁殖力と被覆力によって周辺からの在来種の侵入を阻むため,在来種を主とする植生への遷移の進行を停滞させる。本研究では,緑化施工後2, 4, 6年の外来牧草が優占する林道のり面に,草刈り実施区と未実施区を設けて3年間の植生変化を調べ,草刈りがのり面の遷移に与える影響を評価した。その結果,草刈りの実施は主に木本種の侵入促進に効果を及ぼすことが示された。ただし,その効果は草刈りを実施した当年でしか見られなかった。しかし,草刈りは,既に施工された外来牧草が繁茂して遷移が停滞するのり面において,遷移の進行を促すために実行可能な植生管理方法の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本緑化工学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 111 - 114
Main Authors 小林, 慶子, 田中, 涼子, 林, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.36.111

Cover

More Information
Summary:外来牧草は早期緑化を目的とした緑化工に広く用いられてきたが,旺盛な繁殖力と被覆力によって周辺からの在来種の侵入を阻むため,在来種を主とする植生への遷移の進行を停滞させる。本研究では,緑化施工後2, 4, 6年の外来牧草が優占する林道のり面に,草刈り実施区と未実施区を設けて3年間の植生変化を調べ,草刈りがのり面の遷移に与える影響を評価した。その結果,草刈りの実施は主に木本種の侵入促進に効果を及ぼすことが示された。ただし,その効果は草刈りを実施した当年でしか見られなかった。しかし,草刈りは,既に施工された外来牧草が繁茂して遷移が停滞するのり面において,遷移の進行を促すために実行可能な植生管理方法の一つとして効果的な方法となると示唆された。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.36.111