シェーグレン症候群に伴う口腔乾燥症患者に対するピロカルピン塩酸塩の長期投与例の臨床的検討 長期投与に伴う副作用発現状況と唾液分泌量および自覚症状スコアの変化

シェーグレン症候群(以下SS)に伴う口腔乾燥症治療薬のピロカルピン水和物の投与効果および副作用について検討した。対象は2007年10月~2009年3月までに本剤を投与した症例中,セビメリン塩酸塩水和物やアネトールトリチオンによる治療歴がなく投与4週後の評価を行うことができた64例である。唾液分泌量と自覚症状スコアは投与開始52週後まで調査できた42例を検討した。唾液分泌量は投与前に比べ投与開始24週後以降では有意に増加した。自覚症状スコアは投与前に比べ投与開始12週後以降では有意に減少した。長期投与に伴う唾液分泌促進効果の低下はみられなかった。副作用は81.3%の症例にみられた。最も多かったの...

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Published in日本口腔内科学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 31 - 37
Main Authors 久保田, 英朗, 岩渕, 博史, 内山, 公男, 岩渕, 絵美, 石田, 孝文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2014
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ISSN2186-6147
2186-6155
DOI10.6014/jjsom.20.31

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Summary:シェーグレン症候群(以下SS)に伴う口腔乾燥症治療薬のピロカルピン水和物の投与効果および副作用について検討した。対象は2007年10月~2009年3月までに本剤を投与した症例中,セビメリン塩酸塩水和物やアネトールトリチオンによる治療歴がなく投与4週後の評価を行うことができた64例である。唾液分泌量と自覚症状スコアは投与開始52週後まで調査できた42例を検討した。唾液分泌量は投与前に比べ投与開始24週後以降では有意に増加した。自覚症状スコアは投与前に比べ投与開始12週後以降では有意に減少した。長期投与に伴う唾液分泌促進効果の低下はみられなかった。副作用は81.3%の症例にみられた。最も多かったのは多汗で次に嘔気,頻尿の順であった。15.6%の症例では多汗,嘔気などの理由で投与を中止していた。副作用の97.9%が投与開始4週以内に発現していた。また,嘔気は投与開始12週後までに38.5%の症例で消失していた。長期投与による副作用発生率の上昇はみられなかった。
ISSN:2186-6147
2186-6155
DOI:10.6014/jjsom.20.31