階層的多目的線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定

本論文では,階層構造を有する複数の意思決定者がそれぞれ多目的線形関数を持つ階層的多目的線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定手法を提案する.提案手法では,多目的計画問題に対するパレート最適解の一般化概念であるΛ極点を用いて,一般化Λ極点を定義する.各意思決定者がそれぞれ階層構造における優位性を表す決定力係数を設定すると同時に,各意思決定者のメンバシップ関数間のバランスを表す基準メンバシップ値を設定すれば,対応する満足解候補が一般化Λ極点集合の中から求められる.同時に得られるトレードオフ比の情報を参考にして,決定力係数や基準メンバシップ値を逐次更新することにより,最終的に,各意思決定者の階層...

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Published in知能と情報 Vol. 22; no. 3; pp. 396 - 403
Main Author 矢野, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 2010
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ISSN1347-7986
1881-7203
DOI10.3156/jsoft.22.396

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Summary:本論文では,階層構造を有する複数の意思決定者がそれぞれ多目的線形関数を持つ階層的多目的線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定手法を提案する.提案手法では,多目的計画問題に対するパレート最適解の一般化概念であるΛ極点を用いて,一般化Λ極点を定義する.各意思決定者がそれぞれ階層構造における優位性を表す決定力係数を設定すると同時に,各意思決定者のメンバシップ関数間のバランスを表す基準メンバシップ値を設定すれば,対応する満足解候補が一般化Λ極点集合の中から求められる.同時に得られるトレードオフ比の情報を参考にして,決定力係数や基準メンバシップ値を逐次更新することにより,最終的に,各意思決定者の階層構造のみならず意思決定者の選好を反映した満足解が導出される.提案する対話型アルゴリズムの妥当性を検討するために,仮想的な二人の意思決定者が含まれる階層的2目的線形計画問題に適用する.
ISSN:1347-7986
1881-7203
DOI:10.3156/jsoft.22.396