表面筋電図と動作解析を用いた介助用装着型補助具の有効性の検証

本研究は、筆者らが研究・開発をしている介助用装着型補助具(以下、補助具)を要介護高齢者等の介助に使用した際の介助者の生理的負担の軽減について、人間工学の手法を用いた実験を通して検証することを目的している。実験は、①補助具を使用しない方法、②既製の介助ベルトを使う方法、③補助具を使う方法の3条件で行った。動作は、椅子に着座した被験者を抱え上げて立位姿勢にし、90°旋回して、他の椅子に抱え降ろすまでの移乗介助を行った。生理的負担の測定では、表面筋電図により、動作中の筋放電量を測定した。また、デジタルビデオカメラの記録データの動作解析により、姿勢や動作の分析を行った。その結果、表面筋電図では、補助具...

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Published inデザイン学研究 Vol. 65; no. 4; pp. 4_29 - 4_36
Main Authors 榊, 泰輔, 田代, 雄大, 青木, 幹太, 西薗, 秀嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 31.03.2019
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ISSN0910-8173
2186-5221
DOI10.11247/jssdj.65.4_29

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Summary:本研究は、筆者らが研究・開発をしている介助用装着型補助具(以下、補助具)を要介護高齢者等の介助に使用した際の介助者の生理的負担の軽減について、人間工学の手法を用いた実験を通して検証することを目的している。実験は、①補助具を使用しない方法、②既製の介助ベルトを使う方法、③補助具を使う方法の3条件で行った。動作は、椅子に着座した被験者を抱え上げて立位姿勢にし、90°旋回して、他の椅子に抱え降ろすまでの移乗介助を行った。生理的負担の測定では、表面筋電図により、動作中の筋放電量を測定した。また、デジタルビデオカメラの記録データの動作解析により、姿勢や動作の分析を行った。その結果、表面筋電図では、補助具で背筋群の筋放電量が有意に小さいことが分かった。動作解析では、抱え上げ、抱え降ろす際の上体の前傾角度が補助具で有意に小さいことが分かった。このことから補助具を使うことにより腰部に集中していた生理的な負担が軽減することが明らかになった。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.65.4_29