保護者の視点から見た特別支援教育支援員の専門性とニーズに関する検討

本研究は,障害のある当事者の保護者を対象に質問紙調査を実施し,特別支援教育支援員への支援内容のニーズや必要とされる専門性を明らかにすることを目的とした.保護者が要望した支援の結果から,文部科学省が示す「『特別支援教育支援員』を活用するために」(文部科学省 2007) で想定された役割としてトイレの介助や学習面の支援が挙がった.さらに具体的な回答のデータ例から日常生活の様子を観察し,教員と連携を図り支援を検討する必要があり,一定程度の障害特性に関する知識が必要とされることが示唆された.また支援員へのニーズは,通学通園の介助,交流及び共同学習の付き添いが挙がった.文部科学省が想定した役割が,主に小...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 48; no. 3; pp. 563 - 570
Main Authors 佐藤, 賢也, 高野, 陽介, 金城, 尚義, 泉, 真由子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育工学会 20.10.2024
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.47042

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Summary:本研究は,障害のある当事者の保護者を対象に質問紙調査を実施し,特別支援教育支援員への支援内容のニーズや必要とされる専門性を明らかにすることを目的とした.保護者が要望した支援の結果から,文部科学省が示す「『特別支援教育支援員』を活用するために」(文部科学省 2007) で想定された役割としてトイレの介助や学習面の支援が挙がった.さらに具体的な回答のデータ例から日常生活の様子を観察し,教員と連携を図り支援を検討する必要があり,一定程度の障害特性に関する知識が必要とされることが示唆された.また支援員へのニーズは,通学通園の介助,交流及び共同学習の付き添いが挙がった.文部科学省が想定した役割が,主に小学校と中学校を対象として捉えているため,幼稚園・保育所から高等学校までの保育・教育現場で求められる支援内容や保護者のニーズに応じた支援が提供されているのかを明らかにしていくことが今後の課題である.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.47042