中小企業食品製造におけるIoT活用に見る生産性向上の研究―OODAループを用いた実証研究をもとに

近年,企業,特に中小企業では労働力及び資本不足を補うためデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が増している.特に食品製造業は,衛生管理基準に準じた食の品質を優先しながら生産性を改善するという,相反する2目標管理が必要となる.本稿では,食品製造業に導入可能な方法で生産性改善を目的とし,中小企業1社3製造ラインを実証研究においてIoT化し,OODAループの実施により生産性要素の改善を行った.本研究は,従業員を減らした生産性向上は目的とせず,工程単位での物的生産性及び付加価値生産性向上を目的とする.実証研究の結果,OODAループにIoTを用いることでリアルタイムの製造進捗管理が可能となり,...

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Published in経営情報学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 89 - 106
Main Authors 出口, 弘, 山村, 雅幸, 佐野, 智紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 経営情報学会 15.12.2023
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ISSN0918-7324
2435-2209
DOI10.11497/jjasmin.32.3_89

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Summary:近年,企業,特に中小企業では労働力及び資本不足を補うためデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が増している.特に食品製造業は,衛生管理基準に準じた食の品質を優先しながら生産性を改善するという,相反する2目標管理が必要となる.本稿では,食品製造業に導入可能な方法で生産性改善を目的とし,中小企業1社3製造ラインを実証研究においてIoT化し,OODAループの実施により生産性要素の改善を行った.本研究は,従業員を減らした生産性向上は目的とせず,工程単位での物的生産性及び付加価値生産性向上を目的とする.実証研究の結果,OODAループにIoTを用いることでリアルタイムの製造進捗管理が可能となり,社員間のコミュニケーション改善及びHACCPに準じながら生産性の改善に寄与するというパレート改善が可能であることを示した.
ISSN:0918-7324
2435-2209
DOI:10.11497/jjasmin.32.3_89