中学校数学教員のICT 活用指導力向上のための研修プログラムの開発

全国的に,ICT 活用教育の推進を目的とした教員研修プログラムが開発・実施されている.しかしながら,その多くは特定の教科・校種に特化したものではないため,教員自身が研修で学んだことを現場で実践できない例も見受けられる.そこで,本研究では,中学校数学におけるICT活用指導力を可能な限り明確にし,その指導力育成に向けた研修プログラムの要件を定め,その設計方法を提案した.また,これらに基づいて研修プログラムを開発・実施したところ,研修には13人の教員が参加した.そして,参加者およびその生徒へ質問紙調査を行った結果,KIRKPATRICKモデルのレベル1~4すべてにおいて,研修に対する多様な肯定的回答...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 45; no. 1; pp. 79 - 92
Main Authors 皆本, 晃弥, 米田, 重和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育工学会 10.06.2021
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.44096

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Summary:全国的に,ICT 活用教育の推進を目的とした教員研修プログラムが開発・実施されている.しかしながら,その多くは特定の教科・校種に特化したものではないため,教員自身が研修で学んだことを現場で実践できない例も見受けられる.そこで,本研究では,中学校数学におけるICT活用指導力を可能な限り明確にし,その指導力育成に向けた研修プログラムの要件を定め,その設計方法を提案した.また,これらに基づいて研修プログラムを開発・実施したところ,研修には13人の教員が参加した.そして,参加者およびその生徒へ質問紙調査を行った結果,KIRKPATRICKモデルのレベル1~4すべてにおいて,研修に対する多様な肯定的回答が得られた.実際,参加者のうち7人の教員が担当した生徒174人に対して,授業前後に質問紙調査を行った結果,学習意欲・活動の改善が見られた.これらから,本研修プログラムは中学校数学教員のICT 活用指導力を向上させる上で有用であることが示唆された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.44096