聴覚障害幼児の数操作能力と音韻意識の発達に関する検討
聴覚障害幼児の音韻意識の初期段階の発達に関連する能力を明らかにすることを目的とし、本研究では聴覚障害幼児20名(3歳3か月~4歳10か月)に数・順序に関する課題(提示模倣課題・遮蔽模倣課題・数マッチング課題・拍マッチング課題)と音韻分解課題(模倣による分解検査・音韻分解検査)を実施し、その関連を検討した。その結果、音韻分解課題が可能となり始める4歳前後で、それに先立ち、数・順序に関する課題に大きな発達がみられた。特に視覚的な集合数・順序数の理解・操作の能力の獲得が先行し、音韻分解を可能にしたことが推察された。このことは、聴覚障害児は指文字、キュードスピーチ、かな文字など視覚的なイメージを手がか...
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Published in | 特殊教育学研究 Vol. 53; no. 1; pp. 25 - 34 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本特殊教育学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-3374 2186-5132 |
DOI | 10.6033/tokkyou.53.25 |
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Summary: | 聴覚障害幼児の音韻意識の初期段階の発達に関連する能力を明らかにすることを目的とし、本研究では聴覚障害幼児20名(3歳3か月~4歳10か月)に数・順序に関する課題(提示模倣課題・遮蔽模倣課題・数マッチング課題・拍マッチング課題)と音韻分解課題(模倣による分解検査・音韻分解検査)を実施し、その関連を検討した。その結果、音韻分解課題が可能となり始める4歳前後で、それに先立ち、数・順序に関する課題に大きな発達がみられた。特に視覚的な集合数・順序数の理解・操作の能力の獲得が先行し、音韻分解を可能にしたことが推察された。このことは、聴覚障害児は指文字、キュードスピーチ、かな文字など視覚的なイメージを手がかりにして音韻分析をしているという従来の仮説を一部実証した。 |
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ISSN: | 0387-3374 2186-5132 |
DOI: | 10.6033/tokkyou.53.25 |