メタン合成用ニッケル触媒の耐熱性

メタン合成用ニッケル触媒の耐熱性について検討するため, 650°C, 80kg/cm2 の高温高圧下で, 最長20日間の長期連続活性試験を行った。触媒はアルミナかマグネシアを担体あるいは助触媒とするものを対象とした。この耐熱試験初期には著しい活性劣化が認められたが, 劣化後, 触媒によっては安定な活性を示した。アルミナ担体系では, この安定した活性の大きさと反応後の触媒におけるニッケルの結晶子の大きさとの間によい相関があり, また, 反応後の触媒の炭素含有率が小さいため, ニッケルのシンタリングが活性劣化の主因と考えられた。一方, マグネシア担体系では, 反応中に多量の炭素質物質が生成し, そ...

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Published in石油学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 95 - 102
Main Authors 荒木, 道郎, 鈴木, 邦夫, 小川, 清, 細矢, 忠資, 高谷, 晴生, 高味, 康雄, 藤堂, 尚之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.03.1980
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Summary:メタン合成用ニッケル触媒の耐熱性について検討するため, 650°C, 80kg/cm2 の高温高圧下で, 最長20日間の長期連続活性試験を行った。触媒はアルミナかマグネシアを担体あるいは助触媒とするものを対象とした。この耐熱試験初期には著しい活性劣化が認められたが, 劣化後, 触媒によっては安定な活性を示した。アルミナ担体系では, この安定した活性の大きさと反応後の触媒におけるニッケルの結晶子の大きさとの間によい相関があり, また, 反応後の触媒の炭素含有率が小さいため, ニッケルのシンタリングが活性劣化の主因と考えられた。一方, マグネシア担体系では, 反応中に多量の炭素質物質が生成し, それによる自己被毒が問題になることがわかった。
ISSN:0582-4664
DOI:10.1627/jpi1958.23.95