Human Soft Cadaversを用いた外傷ワークショップに参加して

今回われわれは,タイのChulalongkorn大学で開催されたhuman soft cadaversを用いた外傷ワークショップに参加したので報告する.Soft cadaversとは,御遺体に特殊な加工を加えることにより組織を限りなく生体に近い柔らかい状態に保つことができるようにしたものである.われわれが参加したのは,体幹部の主要な血管損傷を想定したものだった.タイ全国から外傷外科医や外科レジデントが参加し,アドバイザーとしてアメリカよりMattox教授も招かれていた.ワークショップは半日コースであり,前半は4つのレクチャーにMattox教授が追加コメントを行う形で行われた.レクチャーのあとは...

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Published inJournal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma Vol. 29; no. 1; pp. 17 - 21
Main Authors 小網, 博之, 阪本, 雄一郎, 朽方, 規喜, Pak-art, Rattaplee
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2015
The Japanese Association for the Surgery of Trauma
Subjects
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.29.17

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Summary:今回われわれは,タイのChulalongkorn大学で開催されたhuman soft cadaversを用いた外傷ワークショップに参加したので報告する.Soft cadaversとは,御遺体に特殊な加工を加えることにより組織を限りなく生体に近い柔らかい状態に保つことができるようにしたものである.われわれが参加したのは,体幹部の主要な血管損傷を想定したものだった.タイ全国から外傷外科医や外科レジデントが参加し,アドバイザーとしてアメリカよりMattox教授も招かれていた.ワークショップは半日コースであり,前半は4つのレクチャーにMattox教授が追加コメントを行う形で行われた.レクチャーのあとは,実際に御遺体を用いて実習を行った.御遺体1体につきインストラクター1名と受講生が5,6名割り当てられ,生体と同じ感触で普段経験できない手技を習得できた.問題点としては,手技を行うには人数が多いことや費用などの問題はあるが,off-the-job trainingの有用な選択肢の一つと考えられた.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.29.17