Color Doppler Flow Imagingを用いた術中大腸癌リンパ節転移診断の研究

術中color doppler flow imaging(以下CDI)法を用いて大腸癌症例の腫大リンパ節の転移の有無および組織学的変化について研究した.大腸癌症例10例,29個のリンパ節に予備研究を行い,リンパ節内部の血流パターンより診断基準を作製し,32症例,76個のリンパ節にprospective studyを行った.またCDI画像が,なぜ変化するのか,病理組織標本と対比検討した.予備研究の結果,血流パターンを4型に分類した.prospective studyの結果,正診率は,CDI法94.7%,超音波断層法77.6%で,CDI法で良好な結果であった(p<0.01).病理標本と対比し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 48; no. 9; pp. 1033 - 1041
Main Author 山中, 茂
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本大腸肛門病学会 1995
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:術中color doppler flow imaging(以下CDI)法を用いて大腸癌症例の腫大リンパ節の転移の有無および組織学的変化について研究した.大腸癌症例10例,29個のリンパ節に予備研究を行い,リンパ節内部の血流パターンより診断基準を作製し,32症例,76個のリンパ節にprospective studyを行った.またCDI画像が,なぜ変化するのか,病理組織標本と対比検討した.予備研究の結果,血流パターンを4型に分類した.prospective studyの結果,正診率は,CDI法94.7%,超音波断層法77.6%で,CDI法で良好な結果であった(p<0.01).病理標本と対比した結果描出された血流は,リンパ節梁柱内に存在する血管を表現していた.また癌転移によりリンパ節構造が変化し同様に血管の走行が変化した.CDI画像がこの変化を反映していることより,術中CDI法は,大腸癌リンパ節転移の質的診断にきわめて有用と思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.48.9_1033