特発性両側腎動脈解離により腎梗塞を来した1例

症例は46歳,男性。右下腹部痛のため当院を受診した。造影CTで右腎の造影不良域と両側腎動脈解離を認めた。入院後,降圧療法およびヘパリンによる抗凝固療法を開始し,腹痛も改善した。入院9日目のCT再検で左腎下極枝に新たな解離と造影不良域が出現したが,腎機能増悪なく保存的加療を継続し,良好に経過した。特発性腎動脈解離は非常に稀な疾患であるが,急性腹症を来す鑑別疾患の1つとして念頭におく必要がある。...

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Published in脈管学 Vol. 64; no. 3; pp. 41 - 44
Main Authors 酒井, 麻里, 武内, 克憲, 湖東, 慶樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脈管学会 10.05.2024
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ISSN0387-1126
1880-8840
DOI10.7133/jca.23-00035

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Summary:症例は46歳,男性。右下腹部痛のため当院を受診した。造影CTで右腎の造影不良域と両側腎動脈解離を認めた。入院後,降圧療法およびヘパリンによる抗凝固療法を開始し,腹痛も改善した。入院9日目のCT再検で左腎下極枝に新たな解離と造影不良域が出現したが,腎機能増悪なく保存的加療を継続し,良好に経過した。特発性腎動脈解離は非常に稀な疾患であるが,急性腹症を来す鑑別疾患の1つとして念頭におく必要がある。
ISSN:0387-1126
1880-8840
DOI:10.7133/jca.23-00035