食道VTR検査用造影剤における粘性付加添加剤の検討

食道VTR検査に用いられる造影剤の粘性は, 嚥下機能を評価するうえで重要である. われわれは, 増粘剤を添加した非イオン性血管造影剤の粘性を測定した. 今回はコンドロイチン, 加工澱粉, ピアルロン酸, アルギン酸を増粘剤として用いた. いずれの増粘剤を造影剤に加えても, その粘性は添加量の増加に従い高くなった. なかでもピアルロン酸はわずかな添加量で高粘性を得ることができることから, 造影剤の粘性添加剤として有用と考えられた. これら粘性の異なる造影剤を検査で用いることにより, 検者は誤嚥しやすい粘性を検出することが可能であり, さらにそれぞれの症例ごとに誤嚥のない嚥下しやすい食品の粘性を決...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 44; no. 3; pp. 287 - 291
Main Authors 梅崎, 俊郎, 小路丸, 篤, 高木, 誠治, 森, 智, 大谷, 信二, 進, 武幹, 杉本, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.1998
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.44.3_287

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Summary:食道VTR検査に用いられる造影剤の粘性は, 嚥下機能を評価するうえで重要である. われわれは, 増粘剤を添加した非イオン性血管造影剤の粘性を測定した. 今回はコンドロイチン, 加工澱粉, ピアルロン酸, アルギン酸を増粘剤として用いた. いずれの増粘剤を造影剤に加えても, その粘性は添加量の増加に従い高くなった. なかでもピアルロン酸はわずかな添加量で高粘性を得ることができることから, 造影剤の粘性添加剤として有用と考えられた. これら粘性の異なる造影剤を検査で用いることにより, 検者は誤嚥しやすい粘性を検出することが可能であり, さらにそれぞれの症例ごとに誤嚥のない嚥下しやすい食品の粘性を決定することが可能である. すなわち, 濃厚流動食のような低粘性食品であっても, これらの増粘剤を添加することにより, 誤嚥なく嚥下できる適切な粘性をもったsafety bolusに変えることが可能と考えられた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.44.3_287