小児に対する鼓室形成術の適応

小児の鼓室形成術の適応に関しては様々な報告がある. 小児では一般に急性中耳炎に罹患しやすく, また耳管機能も成人に比べ不良であるので特に鼓室形成術の手術年齢の下限についてはなお論議され賛否両論がある. 今回, 県立宮崎病院耳鼻咽喉科における昭和60年から平成2年までの5年間の12歳以下の慢性中耳炎に対して施行した鼓膜形成術の成績を年齢別に分析し, その手術適応について検討した. 次の結果を得た. 1) 小児では聴力回復が著しい. 2) 穿孔閉鎖後の長期予後はよい. 3) 術後の経過観察が重要である. 4) 小児に対する鼓室形成術は年齢に関係なく積極的に施行すべきである....

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 38; no. 3; pp. 220 - 224
Main Authors 笠野, 藤彦, 東野, 哲也, 松元, 一郎, 宮永, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1992
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.38.3_220

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Summary:小児の鼓室形成術の適応に関しては様々な報告がある. 小児では一般に急性中耳炎に罹患しやすく, また耳管機能も成人に比べ不良であるので特に鼓室形成術の手術年齢の下限についてはなお論議され賛否両論がある. 今回, 県立宮崎病院耳鼻咽喉科における昭和60年から平成2年までの5年間の12歳以下の慢性中耳炎に対して施行した鼓膜形成術の成績を年齢別に分析し, その手術適応について検討した. 次の結果を得た. 1) 小児では聴力回復が著しい. 2) 穿孔閉鎖後の長期予後はよい. 3) 術後の経過観察が重要である. 4) 小児に対する鼓室形成術は年齢に関係なく積極的に施行すべきである.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.38.3_220