鼻中隔に発生した神経鞘腫の1例

神経鞘腫はSchwann細胞由来の良性腫瘍である。頭頸部領域では聴神経での発生が多く、鼻中隔にみられることは極めてまれである。今回筆者らは、鼻中隔に発生した神経鞘腫の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は10歳男児で、鼻前庭後方に鼻腔を閉塞するようにして表面平滑で乳白色の腫瘤が存在していた。診断的治療のため、鼻内内視鏡下に腫瘍を切除した。腫瘍は左鼻腔内に限局し、鼻中隔の前部上方より細い茎を持って発生していた。病理組織学的に、Antoni A、B混在型の神経鞘腫と診断した。現在まで再発は認められていないが、再発を繰り返した例や一部に悪性変化の疑われた例も報告されており、今後...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 49; no. 2; pp. 106 - 110
Main Authors 安達, 俊秀, 浅野目, 充, 原渕, 保明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.03.2003
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.49.2_106

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Summary:神経鞘腫はSchwann細胞由来の良性腫瘍である。頭頸部領域では聴神経での発生が多く、鼻中隔にみられることは極めてまれである。今回筆者らは、鼻中隔に発生した神経鞘腫の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は10歳男児で、鼻前庭後方に鼻腔を閉塞するようにして表面平滑で乳白色の腫瘤が存在していた。診断的治療のため、鼻内内視鏡下に腫瘍を切除した。腫瘍は左鼻腔内に限局し、鼻中隔の前部上方より細い茎を持って発生していた。病理組織学的に、Antoni A、B混在型の神経鞘腫と診断した。現在まで再発は認められていないが、再発を繰り返した例や一部に悪性変化の疑われた例も報告されており、今後も経過観察が必要である。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.49.2_106