当科における混合性喉頭麻痺による嚥下障害の治療

脳神経外科的もしくは頭頸部外科的治療後に混合性喉頭麻痺による嚥下障害を呈した症例に対し、保存的治療を実施した4例の経過を報告する。術後、離床困難な段階からベッドサイドにて訓練を開始し、間接的訓練および頸部回旋を中心とした代償嚥下を実施した結果、4例中3例で全身状態が改善するとともに経口摂取が可能となったが、1例では全身状態の改善が見られず摂食訓練に至らなかった。今回の経験から、外科的治療後の損傷脳神経に明らかな回復が見られない場合でも保存的治療が有効な症例があることを再確認できたが、術後の全身状態の安定が治療法選択の重要な因子であると考えられた。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 50; no. 3; pp. 264 - 267
Main Authors 中島, 務, 藤本, 保志, 中田, 誠一, 杉浦, 淳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2004
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.50.3_264

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Summary:脳神経外科的もしくは頭頸部外科的治療後に混合性喉頭麻痺による嚥下障害を呈した症例に対し、保存的治療を実施した4例の経過を報告する。術後、離床困難な段階からベッドサイドにて訓練を開始し、間接的訓練および頸部回旋を中心とした代償嚥下を実施した結果、4例中3例で全身状態が改善するとともに経口摂取が可能となったが、1例では全身状態の改善が見られず摂食訓練に至らなかった。今回の経験から、外科的治療後の損傷脳神経に明らかな回復が見られない場合でも保存的治療が有効な症例があることを再確認できたが、術後の全身状態の安定が治療法選択の重要な因子であると考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.50.3_264