レンバチニブで生じた皮膚・軟部組織欠損に対して大胸筋皮弁充填術がQOL維持に有用であった甲状腺未分化癌の1例
レンバチニブには腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈・静脈からの出血の有害事象があり,局所進行例に対する使用について注意喚起されている。われわれは,レンバチニブが奏効して生じた皮膚・軟部組織欠損を大胸筋皮弁で被覆・充填しQOLを改善できた症例を経験したので報告する。症例は86歳男性。甲状腺乳頭癌未分化転化で当科受診し,放射線照射後にレンバチニブを開始した。頸部腫瘍は著明に縮小したが,皮膚・軟部組織欠損となった。出血予防,QOL改善目的に大胸筋皮弁による被覆・充填を行った。術後6カ月間はQOL維持が可能であった。局所進行甲状腺未分化癌に対するレンバチニブ治療で生じた皮膚・軟部組織欠損に対して,筋皮弁などに...
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Published in | 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 145 - 149 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 2186-9545 |
DOI | 10.11226/jaesjsts.35.2_145 |
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Summary: | レンバチニブには腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈・静脈からの出血の有害事象があり,局所進行例に対する使用について注意喚起されている。われわれは,レンバチニブが奏効して生じた皮膚・軟部組織欠損を大胸筋皮弁で被覆・充填しQOLを改善できた症例を経験したので報告する。症例は86歳男性。甲状腺乳頭癌未分化転化で当科受診し,放射線照射後にレンバチニブを開始した。頸部腫瘍は著明に縮小したが,皮膚・軟部組織欠損となった。出血予防,QOL改善目的に大胸筋皮弁による被覆・充填を行った。術後6カ月間はQOL維持が可能であった。局所進行甲状腺未分化癌に対するレンバチニブ治療で生じた皮膚・軟部組織欠損に対して,筋皮弁などによる被覆・充填は有用であると考えられた。 |
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ISSN: | 2186-9545 |
DOI: | 10.11226/jaesjsts.35.2_145 |