Norfloxacinの小児中耳炎・副鼻腔炎に対する臨床的検討

ノルフロキサシン (NFLX) 50mg錠を服用可能な幼小児の中耳炎52例, 副鼻腔炎45例を対象とし, 本剤を1日6~12mg/kgを3回に分割し, 原則として7日以内の投与とした. ただし, 副鼻腔炎は最大限14日間までとした. 除外脱落例を除く中耳炎46例, 副鼻腔炎43例の有効率はそれぞれ78% (36/46), 72% (31/43) であった 分離菌の消失率をみると101株中82株消失し, 消失率81%であつた. 副作用はみられなかつたが臨床検査値異常として, 1例に軽度の血小板増多が認められた. 以上の結果より, NFLXは小児の中耳炎・副鼻腔炎に対して, 優れた臨床効果を示し,...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 39; no. 4; pp. 589 - 604
Main Authors 加藤, 真二, 山本, 真一郎, 東内, 朗, 甕, 久人, 大屋, 靖彦, 月山, 昌夫, 田中, 伊佐武, 横田, 明, 宮本, 直哉, 伊藤, 弘美, 伊佐治, 広子, 小林, 武弘, 向井, 研, 森部, 一穂, 河合, 峯, 馬場, 駿吉, 永田, 総一郎, 北條, 郷明, 島田, 純一郎, 笠島, 哲也, 梅田, 敬子, 出口, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1993
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.39.4_589

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Summary:ノルフロキサシン (NFLX) 50mg錠を服用可能な幼小児の中耳炎52例, 副鼻腔炎45例を対象とし, 本剤を1日6~12mg/kgを3回に分割し, 原則として7日以内の投与とした. ただし, 副鼻腔炎は最大限14日間までとした. 除外脱落例を除く中耳炎46例, 副鼻腔炎43例の有効率はそれぞれ78% (36/46), 72% (31/43) であった 分離菌の消失率をみると101株中82株消失し, 消失率81%であつた. 副作用はみられなかつたが臨床検査値異常として, 1例に軽度の血小板増多が認められた. 以上の結果より, NFLXは小児の中耳炎・副鼻腔炎に対して, 優れた臨床効果を示し, とくにβ-ラクタム剤に感受性の低いH. influenzae, M.(B) catarrhalis, P. aeruginosa等による症例には効果が期待できると考えられた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.39.4_589