甲状腺癌再手術例におけるNIMによる再建した反回神経の同定

63歳男性,甲状腺乳頭癌(T4aN0M0)に対して甲状腺左葉峡切除,D1郭清を施行した。術中反回神経への腫瘍浸潤があり,反回神経合併切除し,頸神経ワナによる神経移行術を行った。手術6年後,左中内深頸領域にリンパ節転移を認めたため左D2a郭清を行った。術中NIMを用いたところ再建に用いた左頸神経ワナを同定でき,温存することができた。術後声帯の萎縮は見られず,音声の悪化は見られなかった。甲状腺癌再手術例において,反回神経の同定は通常困難であるが,表面電極付挿管チューブを用いたNIM(nerve integrity monitoring)は再建神経の同定に有用であると考えられた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 328 - 331
Main Authors 福家, 智仁, 今井, 篤志, 須田, 稔士, 飯田, 善幸, 上條, 朋之, 鬼塚, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.31.4_328

Cover

Loading…
More Information
Summary:63歳男性,甲状腺乳頭癌(T4aN0M0)に対して甲状腺左葉峡切除,D1郭清を施行した。術中反回神経への腫瘍浸潤があり,反回神経合併切除し,頸神経ワナによる神経移行術を行った。手術6年後,左中内深頸領域にリンパ節転移を認めたため左D2a郭清を行った。術中NIMを用いたところ再建に用いた左頸神経ワナを同定でき,温存することができた。術後声帯の萎縮は見られず,音声の悪化は見られなかった。甲状腺癌再手術例において,反回神経の同定は通常困難であるが,表面電極付挿管チューブを用いたNIM(nerve integrity monitoring)は再建神経の同定に有用であると考えられた。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.31.4_328