アルツハイマー型認知症に対する 半夏白朮天麻湯の有効性
アルツハイマー型認知症は認知症の半数を占め,認知機能障害が徐々に進行する。半夏白朮天麻湯をアルツハイマー型認知症患者に投与し,その有効性を検討したので報告する。対象はアルツハイマー型認知症患者72例。初診時に全例に改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)を実施した。同日から半夏白朮天麻湯エキスの内服を開始し,4週間後にHDS-R で再評価を行なった。評価可能であった患者は72例中64例であった。64例の内訳は年齢79.9±6.0歳(63-89歳),性別は男性33例,女性31例であった。半夏白朮天麻湯エキス投与前のHDS-R は15.5±5.2点であり,投与4週間後のHDS-R は16.9±6....
Saved in:
Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 64; no. 2; pp. 104 - 107 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本東洋医学会
2013
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-4857 1882-756X |
DOI | 10.3937/kampomed.64.104 |
Cover
Summary: | アルツハイマー型認知症は認知症の半数を占め,認知機能障害が徐々に進行する。半夏白朮天麻湯をアルツハイマー型認知症患者に投与し,その有効性を検討したので報告する。対象はアルツハイマー型認知症患者72例。初診時に全例に改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)を実施した。同日から半夏白朮天麻湯エキスの内服を開始し,4週間後にHDS-R で再評価を行なった。評価可能であった患者は72例中64例であった。64例の内訳は年齢79.9±6.0歳(63-89歳),性別は男性33例,女性31例であった。半夏白朮天麻湯エキス投与前のHDS-R は15.5±5.2点であり,投与4週間後のHDS-R は16.9±6.2点と有意に改善を認めた(p < 0.01)。家族の目から見て認知機能が改善したものは13例(20.3%)であった。半夏白朮天麻湯のアルツハイマー型認知症の認知機能障害に対する有効性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 0287-4857 1882-756X |
DOI: | 10.3937/kampomed.64.104 |